職歴を読んでも、候補者は分からない

履歴書を開く。「〇〇株式会社・営業職・5年」——経歴は分かった。

では、この人が何を求めて転職しようとしているのか。何に疲れて、何に向かおうとしているのか。

職歴だけでは、何も分からない。

CA(キャリアアドバイザー)が本当に知るべきは、スペックではなく「転職軸」だ。


「転職軸」とは何か

転職軸とは、その人が転職に何を求めているかの優先順位だ。例えば、こういうものだ。

一人ひとり違う。そして、本人も言語化できていないことが多い。

だからCA(キャリアアドバイザー)の仕事は、候補者が「何となく感じている不満や期待」を、言葉にする手伝いをすることでもある。


職歴から「転職軸の仮説」を立てる

面談前に職歴を読むとき、こう問いかけてみよう。

「なぜこの人は、このタイミングで動いているのか?」

例えばこんな読み方ができる。

職歴から読む仮説パターン
  • 同じ会社に10年いて初めて転職活動 → 何か大きな変化があった可能性
  • 2〜3年ごとに転職を繰り返している → 環境への適応より、求めるものへの執着が強い
  • 管理職になってから登録した → 役職への不満か、別の方向へのキャリア転換の可能性
  • 大企業からベンチャーへの転職歴がある → 安定より挑戦を選ぶ傾向

仮説は外れてもいい。面談で「実は違った」と分かれば、それが深掘りのきっかけになる。


「希望条件」は転職軸の入口にすぎない

登録フォームに書いてある希望条件——年収・職種・勤務地——は、転職軸の表面だ。

「年収600万以上」と書いてある候補者が、本当に求めているのは年収だけとは限らない。

希望条件の裏にある感情を読むことが、転職軸を掴む第一歩だ。


リサーチのゴールは「仮説を1つ持つこと」

面談前のリサーチに、完璧な答えは必要ない。ゴールは、仮説を1つ持って面談に入ることだ。

「この人はたぶん、〇〇に疲れて△△を求めている」

この仮説があるだけで、面談の最初の質問が変わる。

「前職ではどんな仕事を?」ではなく——

「〇〇のお仕事、長く続けてこられたんですね。今回動こうと思ったのは、何かきっかけがあったんですか?」

この一言で、候補者は「ちゃんと見てもらえている」と感じる。


今日からできること

今日のアクション

次の面談前に、職歴を読みながらこう問いかけてみよう。

「この人は、なぜ今動いているのか?」

答えは1つでいい。仮説でいい。その仮説を持って面談に入ると、最初の10分が変わる。